離婚したのか亡くなったのかはよくわからないけれど、相当なまでに苦戦していることは察した。

「その…あんまり、無理をしないでくださいね」

私がそう言ったら、星川くんは首を傾げた。

「もし、この前みたいに仕事が遅くなって青空ちゃんのお迎えがまた必要になったら言ってください。

私もできる限りのお手伝いをしたいと思っていますので」

私が協力することで星川くんが少しでも楽になるならば手伝ってあげよう。

その思いを込めながら星川くんに言ったら、
「ありがとうございます、杉田さん」

星川くんは微笑んで、お礼を言った。

あっ、こんな風に笑うんだ…。

会社での無口で無表情な一面しか知らないので、彼が見せたその一面に胸が温かくなったのがわかった。