「お姉さん、おはよう」

青空ちゃんがあいさつをしてきたので、
「おはよう、青空ちゃん」

私はあいさつを返した。

「それじゃあ、行きましょうか」

「はい」

私たちは改札口へと足を向かわせた。

切符を買って電車に乗ると、
「今日はよろしくお願いします」

星川くんがそんなことを言ってきた。

「えっ、何ですか?」

急にそんなことを言われた私は、何が何やらである。

「俺がお礼をしたかったのはもちろんのことですけど、青空のわがままも聞いてくれて」

星川くんは言った。

「俺、生まれてから本当に料理とかしたことがなくて…」

「…カレー、失敗してましたもんね」

痛いところをつかれたと言うように、星川くんは口を閉じた。