「またお前らか。」

ガツンと言おうとした私の後ろから呆れたように声をかけてきたのは蓮さんだった。

「あっ主任も初詣ですか?あけましておめでとうございます。」

蓮さん、助けに来てくれたんだ。高成さんと杉村さんはピタッと言い争いをやめて蓮さんに挨拶をする。

「新年の挨拶はいいが、お前らまた赤崎さんに迷惑かけてるんじゃないのか?」

「だってコイツが…。」

高成さんと杉村さんは同時にお互いを指差し人のせいにしている。この二人、実は似た者同士かも。

蓮さんは二人の様子を見てフゥと一息つく。そして私の隣に立ち、事もあろうか人前で私の肩を抱き寄せ、私は蓮さんの方に引き寄せられた。

「言っておくが、美織は俺の彼女だからな。お前ら美織を口説くなら…覚悟しとけよ。」

蓮さんの言葉を聞いて、時が止まったかのように周りが静かになる。もちろん私も何が起きたのか頭が回らず固まってしまった。

それから数秒後、蓮さんの言葉が頭に入ったのか今度は驚きの声や悲鳴が飛び交う。

「主任が赤崎さんと…!?」

「マジで!?」

「れれれれれれ蓮様、嘘でしょ!?」

私と蓮さんは痛い程の視線を浴びるが私はまだ頭が真っ白で、今何が起きてるか把握出来てない。

「あースッキリした。じゃあ家に帰ろうか、美織。」

蓮さんはそう言うとみんなの言葉を全部スルーして、私の肩を抱いたまま歩き出し神社を後にした。