「ボンキュッボンって聞こえたけど、美織ダイエットしてるの？」

私の呟きを聞いた他の庶務課の女子達が、わらわらと私と裕香の元へ集まる。

「…にしてはめっちゃ食べてない？」

「ダイエットなんてしてないし。」

「あっ彼氏に何か言われたんじゃない？スタイルの良い女性が好きとか。」

「美織の彼氏って営業企画課の高成さんでしょ？確かにスタイル抜群の女性が好きそう。」

「いや違うから。」

否定するが、庶務課の女子達は私の話を聞かずにどんどん話を膨らませていく。

「話が盛り上がってるところ申し訳ないけど、少し話を聞いてもいいですか？」

女子トークが炸裂している中、蓮さんと高成さんがやって来た。噂をすれば何とやら…。

「キャー、蓮様だわ。」

蓮さんの姿を見た女子達は、手で髪の毛を触りパパッと身だしなみを整え始める。

「今回の社内イベントについてのアンケートというか、簡単な感想を聞いて回っているんだけど、庶務課の皆さんはどうですか？」

蓮さんがニッコリとしながら質問してきた。その笑顔に女子達の目はハートになって、めっちゃ楽しいですぅと言いながらさり気なく蓮さんに近づいていく。

「さっきから行くとこ行くとこ平国主任が女性社員に取り囲まれちゃってさ。まぁ羨ましいけど大変だよな、主任も。」

取り囲まれた蓮さんを見ながら、高成さんが私の元へ来た。

「はは、ホントに大変そうですね。お疲れ様です。」

「赤崎さんは楽しんでる？」

「はい。バーベキューも美味しいし楽しいですよ。」

「なら良かった。あっ、少し食べて行っていい？中々食べれないんだよね。」

「いいですよ。ちょっと待って下さい。」

そう言って焼けた肉と野菜を皿に乗せて高成さんに渡す。高成さんが中々食べれないという事は蓮さんもかな。ちらっと蓮さんの方を見る。