「今日は風が結構吹いてるね。あっちの壁の方で話そうか。」
「そだね。」
壁で風の当たらない位置に移動して座り込む。時間の確認なのか、裕香は携帯を確認して昨日の話の続きを始めた。
「別れようって言ってから平国主任と連絡取ったの?」
「取って…ない。」
裕香は呆れたような表情で私を見る。
「また逃げる気?」
「またって…。」
「だって杉村さんの時も美織が一方的に別れようって言ってそのまま終わらせたでしょ?」
「あの時は…言い訳とか聞きたくなかったし、精神的ショックも大きかったし…。」
この時、私は杉村さんと別れた時の事を思い出していた。
大好きだった杉村さん…でも好きだったのは私だけだった。杉村さんは最初から私に興味なんてなかった。
杉村さんが会社で同僚と話しているのを偶然聞いてしまったのだ。いつになったら裕香を口説き落とすのかって言われているのを…。
私はそれを聞いて頭が真っ白になった。それから何?どういう事?って頭の中でずっとリピートされた。これ以上話を聞きたくなかったけど、足が動かなくて話を全部聞いてしまった。
そこで聞いた話をまとめると、杉村さんは最初から裕香に近づきたくて、まずは裕香と仲の良かった私に近づいた。そして私経由で裕香とも距離を縮めて、ゆくゆくは裕香を口説き落とす予定だったらしい。
それを知ってしまった私はその場で杉村さんに別れを告げ、その後も忘年会で再会するまで杉村さんと話をする事はなかった。
「そだね。」
壁で風の当たらない位置に移動して座り込む。時間の確認なのか、裕香は携帯を確認して昨日の話の続きを始めた。
「別れようって言ってから平国主任と連絡取ったの?」
「取って…ない。」
裕香は呆れたような表情で私を見る。
「また逃げる気?」
「またって…。」
「だって杉村さんの時も美織が一方的に別れようって言ってそのまま終わらせたでしょ?」
「あの時は…言い訳とか聞きたくなかったし、精神的ショックも大きかったし…。」
この時、私は杉村さんと別れた時の事を思い出していた。
大好きだった杉村さん…でも好きだったのは私だけだった。杉村さんは最初から私に興味なんてなかった。
杉村さんが会社で同僚と話しているのを偶然聞いてしまったのだ。いつになったら裕香を口説き落とすのかって言われているのを…。
私はそれを聞いて頭が真っ白になった。それから何?どういう事?って頭の中でずっとリピートされた。これ以上話を聞きたくなかったけど、足が動かなくて話を全部聞いてしまった。
そこで聞いた話をまとめると、杉村さんは最初から裕香に近づきたくて、まずは裕香と仲の良かった私に近づいた。そして私経由で裕香とも距離を縮めて、ゆくゆくは裕香を口説き落とす予定だったらしい。
それを知ってしまった私はその場で杉村さんに別れを告げ、その後も忘年会で再会するまで杉村さんと話をする事はなかった。