「うわぁ…酷い顔。化粧で誤魔化せれるかな。」

昨日は全然寝れなかった。朝起きて鏡を見ると、泣いたせいで目が腫れぼったくなっていて、目の下にクマもある。私は自分の顔を見て大きくため息をついた。

仕事に行きたくないと思いながらモタモタと仕事の支度をしたせいでいつも乗る電車に間に合わず、一本遅い満員の電車に乗る羽目になった。

おかげでさらにボロボロの私になってしまった。

「裕香おはよう。」

会社に着き、制服に着替えて部署へ行くと、既に仕事のスタンバイをしていた裕香の隣に座る。

「おはよう美織。今日は遅かったね…って、その顔…やっぱり昨日杉村さんと何かあったんじゃ？」

裕香は私の顔を見るなりじぃっと顔を覗き込んできた。

「…やっぱり分かっちゃうか。仕事が終わったら話聞いてくれる？」

「もちろん。」

その後、他の人達にも私の顔を見る度にどうした？って聞かれたけど、みんなには昨日忘年会で飲み過ぎて二日酔いになったって事にして誤魔化した。

ようやく仕事が終わった。今日ほど時間が経つのが遅いと感じた事はない。何だかめっちゃ疲れた。

「美織、どこ行く？ファミレスくらいにしとく？」

「いや、居酒屋がいい。」

更衣室でこの後行く店を決めながら着替えて、話の結果やっぱり居酒屋で飲む事にした。

居酒屋へ向かう途中、どこまで裕香に話をするか考えたけど、裕香には蓮さんの事も全部話をしようと決めた。