神社を出てしばらくすると、ようやく私の頭が回転し始めた。

「えーっ…何でバラした!?」

私はビックリした表情で勢いよく蓮さんを見る。私の聞き間違いじゃなければ、公衆の面前でハッキリ恋愛宣言してたよね?会社の人達もたくさん居たよね?

「今頃か?凄い時差だな。」

蓮さんは笑ってそう言うけど、全然笑い事じゃないから。そしてさっきから私の携帯が鳴りっぱなしの状態だ。女子の情報網は早いからあっという間に会社の人達に知れ渡ったかな。あ〜どうしよう。

取り敢えず、鳴りっぱなしの携帯の電源を切った。

「休暇明けが怖いよ〜。」

私は頭を抱える。どんな目に合うことやら。

「大丈夫だ。何かあったら俺が守るから。それに…。」

「それに?」

「付き合っているのはどうせそのうちみんなにバレるんだし、少しくらい早く知られたっていいだろ?」

「えっ何でバレるの前提なの?」

私が不思議そうな顔して蓮さんを見ると、蓮さんは笑みを浮かべて私の前に立つ。そして私の左手を取り、薬指にそっとキスをした。

「さぁな。」

蓮さんは私の左手を離してまた笑みを浮かべた。

左手…薬指…えぇ!?私は少し考えて顔を赤くさせる。まさかと思いキスの意味を聞こうかと思ったけど、勘違いだったら恥ずかし過ぎるので言葉を飲み込んだ。

そしてまた私達は歩き始める。