嫌な方向に話が進んでしまったけど。
もう、引けない。
私は、この方向に『誤魔化す』ことを決めて口を開いた。
「あのさあ。
ちょっと考えてみてよ」
一呼吸置いて、私は腰に両手を当てた。
「他の女を大好き愛してるって言いまくってた男をよ?
それも、そう言ってるのを目の前で見てるの。
──普通、好きになれる?」
「お前の普通が世間の普通じゃないと思うが。
──俺だって、お前が貴史のことを大好きだったのを知ってる。
でも、俺はお前がいいんだ!」
……ああ、やっぱり。
───この名前が出てきた。
私が蓮美さんの名前を出したのだもの。
だからこその、『自爆』
───私と青山の、傷───