発作の前兆だと渉は気が付く。
「少し休憩して来い。」
「平気です。」
「平気って顔色じゃないだろ?」
渉はそう言って多香子の指に酸素の値をはかる機械を付けた。
「薬は?」
「・・・」
「ちゃんと飲まないとダメだろ?」
「・・・はい。」
多香子の顔色は少しずつ戻っていく。
「もう大丈夫です。すみません。次の患者さんを呼びます。」
「無理するなよ?」
「はい。」
心配そうな渉を診察に残して多香子は患者を呼びに廊下へ出た。