たとえ受精卵が残されていても、慶輔が亡くなればその受精卵は使うことができない。
それを二人は知っていて、段階を踏まずにすぐに治療に入りたいと渉に相談してきた。

渉はできる限りの協力をした・・・。


その結果が・・・


渉は自分の手をギュッと握りしめた。






命を失った時、多香子は精神的にバランスを崩し何度か過換気症候群の発作を起こして危ない状態にもなった。多香子が勤務していた総合病院には慶輔との思い出がありすぎて、多香子は悲しみから余計に立ち直れず病院を辞めた。