多香子は目を閉じる。

あの時の選択を後悔したことはない。
慶輔と過ごした時間にたくさんの幸せもあった。

慶輔は自分のために一生懸命に生きようとしてくれた。
精一杯、病気で体がうまく動かなくても多香子を幸せにしようと努力してくれた。

多香子はそんな慶輔の気持ちを大切にして生きていくと決めたのだった。






でも・・・慶輔・・・
どうしてあの時、赤ちゃんを連れて旅立ってしまったの?
あなたのいない世界でこれからも生きていく私から、希望を奪ったの・・・?