リハーサル前。

教室からみんなが体育館への移動の為に出て行く中、葉子ちゃんに呼びとめられた。


何を言われるのかとビクビクしたけど、わたしも葉子ちゃんとは卒業する前にちゃんと話したいと思っていたから、緊張しながらも向き合った。

向き合うことを恐れていては、何も変えられないと知ったから。


すると葉子ちゃんはいきなり頭を下げて、わたしに「ごめん!」と謝った。



「この間はごめん! あと、いままでひどいこといっぱい言ったのも! 全部八つ当たりだった!」



2月の一時登校日でわたしが倒れてから、ずっと気にかけてくれていたらしい。


すっかりしょげた風に、葉子ちゃんはこれまでのことを話してくれた。


受験勉強が思うようにいかず、悩んでいたこと。

一緒の大学に行こうと約束していた他校の彼氏が、進学先を専門学校にしたこと。