「こんな欲深かったのに。病院で、杏様のことを思う、泉の言葉を聞いて、我に帰りました。鈍器で頭を殴られたくらいの衝撃でしたよ。

あの男は…嫌になるくらい、とても真っ直ぐ、過去も含めて笑えるように。杏様の笑顔を守りたいと、私の目を見て言いました」


正直、私って怖くないですか?と驚いた顔の志木さんに笑ってしまった

確かに怖い
顔が怖いとかそんなんじゃなくて、存在とオーラと、少し狂気じみた感じがするのが怖い


そんな志木さんに、いつもと同じく、泉は真っ直ぐだったんだろうな


「俺は、泉が大好きなんですよ」

「ふふ。今頃くしゃみしてるんじゃないですか?」

俺の笑った顔を見て、少し微笑み、車は大通りに出てマンションへの道を走る



「志木さん、俺のこと怒らないんですか?」

「なんでですか?」

「いや…なんか、好きな理由が…」

「でも大事に思ってくれてるんでしょう?その気持ちだけで充分です。あなたも、杏様にとって、大事な人なんですから」


杏様をお守りするついでに、あなた達のことも、お守り致します