「貴方もややこしい感情をお持ちなんですね」


そう言った志木さんは、初めて素で笑ってくれたような気がした


「私もつい最近まで杏様への気持ちに戸惑っていた1人ですから。貴方の気持ちも分かりますよ」


「……杏ちゃんのことを、好きだったんですよね?」


「今でも好きですよ?ただ誰かと居る杏様の事も、好きになれるようになっただけです。ずっとそばに居たんです。大切な人に変わりはありませんが……
杏様の気持ちを大事にできるようになりました。」


そうじゃなければ、杏様の家に行った時に、全員殴り飛ばして関西に帰ってましたよ。と真顔で言った

それは怖いからやめて欲しい


志木さんは、杏ちゃんの家族になることを選んだ


それは結婚とかそういう未来のことじゃなくて、過去から全て包み込んでくれる…杏ちゃんの唯一の家族


志木さんは、そうなろと心から思ったと教えてくれた


案外怖い人でもない

ただただ杏ちゃんのことが大事なだけ



「俺は……泉の好きな人である、杏ちゃんが好きなんです」