「兄貴…帰ってくるの?」
「今日ですか?
たぶん出張だと思うんですよね。
なので、帰らないかと」
社長から聞いたわけではなく、
会社の予定表を覗き見たので、
変更なければ、そのはず。
しどろもどろな私。
「ふーん」
室内をながめている駿。
キョロキョロしている。
あれ。
あんまり来たことないのかな。
弟さん。
なんか、珍しそう。
お茶でも出そうと、さとみが立ち上がると
「今日は帰るわ」
急に立ち上がる駿。
「え、あ、はい」
駿は、それだけ言うと、
さとみを見もせず帰ってしまった。
弟さんって、やっぱり、社長に似ているかも。
あの時間を無駄にしない感じ。