カウンターに置かれていた、社長の手が動いた。



「赤い」



「打った?」



優しく



親指がさとみの頬に触れる。



また、ピクってしてしまう。



わずかに



さとみは首を振る。



ドキドキして赤くなっているだけ。



頬が熱くて



心拍が上がりすぎて




深呼吸したくなる。




もっと近くなる社長の瞳が、私を




見つめて







心臓が痛いよ。