クラスメート達の遠慮のない視線で、肌がヒリヒリ痛くなりそう。


幸人くんの席まで近寄って、
「注目されてるね……」
と呟く。
「確かに。ま、今はちょっと我慢だな」
幸人くんは苦笑いを浮かべてから、
「頑張ろうな」
と言ってくれた。


校内に静かな音楽が流れる。
あっという間に音楽は止んでしまった。

「何の音楽？」
尋ねてみると、
「この音楽、チャイムの代わりなんだよ」
と幸人くんは教えてくれる。

「あ、そうなんだ」
私の通っていた小学校も中学校も時間になると「キーンコーンカーンコーン」というチャイムが鳴っていたので、チャイムの代わりに音楽が鳴るのは新鮮だった。

「え？受験の時も音楽だったでしょ？」
幸人くんは不思議そうな顔をする。