日の光が痛いくらいにまぶしくても。
道を歩く通勤、通学の人達の目が気になっても。

大丈夫。
私は乗り越えられる。




最寄り駅に着く頃には肩が上下するくらいに、私は緊張と不安と興奮で息を切らしていた。
駅の入り口が見えた時、
「やった……」
と小さな声で言ってしまった。



私、ひとりで駅までたどり着けたんだ!!




改札口。
大勢の人が次々と同じ仕草を繰り返して通って行く。


キレイな、落ち着いた茶色い髪の毛が目に入った。
「ヨッ」
幸人くんが片手を上げて、改札口の前で待っていてくれている。




「おはよう」
低くて、優しい声。
目頭が熱くなって、のどの奥がきゅうっと痛くなった。