幸人くんと顔を合わせてから数週間が経過した。
5月中旬。
桜一色だった景色も、緑でいっぱいになっている。
デニムパンツに白いTシャツ、青いチェックのシャツを羽織った格好で、私は幸人くんの帰りを待っている。
「もうそろそろかな、幸人くん」
ママがそう言って玄関までやってきた。
「横峯くん」から「幸人くん」へと呼び方が変わったママ。
ママはすっかり幸人くんを気に入ったみたい。
玄関にインターホンの音が響く。
「はぁい!」
ママが嬉しそうにドアを開けた。
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