「……はぁーっ」
幸人くんが長いため息を吐いた。
私の心がザワザワとうるさくなる。

もしかして迷惑だった?
幸人くんには好きな人がいるから、私の気持ちを聞いても困るよね?
どうしよう。


「……なんで先に言っちゃうかな」
幸人くんが呟く。
「あの……」
やっぱり困ってる……。
謝ったほうがいい?

私はうつむいて一生懸命にどうするべきか考える。


「葵、あのさ」
そう言って幸人くんは私の頬を両手で包んだ。
「こっち向いて」
私の顔を優しく自分のほうへ向ける。

幸人くんのキリッとした目を見た。




「オレも、葵が好きだよ」
ゆっくりと優しい声が、私の耳に届く。


え?



「葵が好き」
幸人くんの頬が赤くなっていく。