「え、え!?なんで泣いてるの?」
戸惑う石森くんに、
「お化け屋敷が怖かったらしくて……」
と伝えると、
「マジで!?そんなに泣いちゃうほど!?」
と心底驚いた顔をした。

「こんなに怖いって……、おも、思わなくて……!!」
泣きながらむくれる安堂さんに、
「いや、ごめん。オレのせいだよね」
と石森くんは安堂さんにハンドタオルを差し出した。

ハンドタオルを受け取ってもまだ泣き続ける安堂さんに、
「泣き止んでよ、安堂さんには笑顔でいてほしい」
と言った石森くんは、自分の着ているセーターの袖で安堂さんの涙を拭いた。
「オレ、安堂さんが好きだから」


石森くんはハッと我に返り、
「あ!!」
と言った。
安堂さんはキョトンとしている。