幸人くんをチラリと横目で見る。
やっぱりカッコイイ。
スラッと伸びた長い脚。
白いパーカーに縫いつけたオレンジのフェルトの角でさえ似合う。


「ん?何?」
私の視線に気づき、幸人くんがニコッと笑ってくれる。
「何でもない、です」
「何ー、気になるじゃん」

そこへ「ギャーーーッ」っという安堂さんの悲鳴が聞こえた。

「え、何、そんなに怖いの!?」
私は身構える。
「越野さん、オレが考えたお化け屋敷だよ?怖くないわけないじゃん」
石森くんが得意げに言う。

「さっきからお客さんの悲鳴、めっちゃ聞こえてくるんだ」
幸人くんがそう言って、
「一緒に入ってみる?」
と意地悪な表情で聞いてくる。

「入らない!!」
全力で拒否した。