女の子達はしぶしぶその場から立ち去った。

「石森ー、すげー!!」
「お前めっちゃカッコイイよ!!」
「ありがとう、石森くん!!」
クラスのみんなも称賛している。

幸人くんも石森くんに、
「ありがとう」
と頭を下げた。
「横峯が悪いんじゃないから」
石森くんはそう言って笑った。

「横峯くん、目立つもんね」
小谷さんが幸人くんに近づく。
幸人くんは自分の髪の毛を触る。
「髪の毛の色のせいだけじゃないと思うけど」
小谷さんは可笑しそうに笑う。

「あ、葵!」
幸人くんが私を見つけた。
「オレ、もうちょっとで呼び込み係が終わるから、待ってて」
「うん」
私はうなずく。

「じゃあ、私達は自分のクラスのお化け屋敷を堪能しに行きますか!葵ちゃんはどうする?」
と小谷さんと安堂さんに聞かれて、
「私、このまま廊下で待ってるね」
と答え、私はふたりに手を振った。