「ごめんね」
私はうつむく。
「いつか話さなくちゃと思ってたんだけれど、決心がつかなくて」

「……そうだよ、言ってほしかったよー」
小谷さんはわざとらしく頬を膨らませてから、
「と言っても、私が言わせにくくしちゃったんだよね?本当にごめんなさい」
と頭を下げた。
私は頭を横に振る。
「どうしても、私の気持ちを横峯くんに伝えたくて。葵ちゃんを悩ませたんだと思う。でもね、私は、私!葵ちゃんは葵ちゃんなの!」
小谷さんはそう言って、
「誰にも遠慮なんかしないで、葵ちゃんの気持ちを大事にしてほしいよ」
と微笑んだ。


「好きって、伝えたいの」
私は小谷さんに言った。
「幸人くんに伝えたい。振られてもいいから、私の気持ちを知ってほしいんだ」