「私、ふたりと一緒にいて、本当に楽しくて。だから、なんか幸せだなって思って」
小谷さんと安堂さんはキョトンとしている。
それからふたり一緒に声を揃えて、
「なーに言ってんのぉ!」
と笑顔になった。
「びっくりしたよぉ、パッと見たら泣いてるんだもん」
「本当。私がクレープかじったの、嫌だったのかと思って焦ったぁ」
ふたりはケラケラ笑い出した。
「……私、ふたりと友達になりたい」
まだおさまらない涙を懸命に拭いながら、私は言った。
「もう友達だと思ってた」
「私もー。もう友達だって~」
のんびりした口調でふたりは言って、また笑った。
「本当?」
「嘘ついてどうすんの!」
小谷さんは私の頭を撫でた。
「葵ちゃん、これからもよろしくね!」
その言葉に、また涙が出てきた。