私もクレープにかじりついた。
イチゴの甘酢っぱさと、とろりと甘い生クリームが口の中で広がって最高においしい。

私はふと、こういうことってはじめてだなって思った。
女の子の友達と、おいしいものを食べる。
いわゆる女子会のようなこと。

「ねぇ、ひとくちちょーだい?」
安堂さんが私のクレープをひとくちかじる。
「おいしーい!!」
幸せそうに目を細める安堂さん。
それを見て可笑しそうに笑う小谷さん。

胸の奥が熱くなってきて、涙があふれてきた。


「……え?葵ちゃん、泣いてない?」
「え!本当だ!」

私は慌てて目をこする。
「違う、違うの!」
「え?え?何、どうしたー?」
「嬉しくて……!!」
私は一生懸命に涙を拭う。