教室に着く。
もう中はお化け屋敷が完成しているので、みんな教室の前の廊下にいる。

「横峯くん?」
小谷さんが幸人くんの金髪に気づいた。
他のクラスメートも幸人くんをまじまじと見ている。
「似合うじゃん!」
「気合入ってるねー!」
みんな幸人くんに笑顔を向けた。
みんなの輪の中で幸人くんが嬉しそうに笑っている姿が、私も嬉しかった。


「何ー、横峯くん!!その頭!!」
驚いた声を出したのは橘先生だった。
「それは……、ちょっと、怒らなくてはいけないような……」
困惑した表情になっている。
「文化祭が終わったら、また染め直します」
「いや、うん。そうだね、そうしてほしいねー。でも、似合うねー」
後半に本音が出た橘先生に、クラスみんなが笑う。