「べつに気合とかじゃないけど……、この髪、お前は嫌い?」
髪の毛を触りながら、幸人くんが不安そうに聞いた。
「いや、カッコイイよ!!なんで似合っちゃうの、お前すげーな!!」
石森くんはキラキラした瞳で答える。
安心したのか、幸人くんは嬉しそうな顔をした。
「良かったね、幸人くん」
私もニッコリ笑う。


「ちょっと待って、オレの反応を気にしていたの?」
石森くんが立ち止まる。
「気にするっていうか、まぁ、そうなるかな」
「お前……!横峯、オレのこと好きだな!!」
石森くんがカラカラ笑う。
「は?そういう言い方するの、やめろよな」
幸人くんもあはははっと笑った。


学校に着く頃、石森くんはどことなくソワソワしだした。