私は絶望的な気持ちになり、震える足を抱えた。


「いじめ、いじめた……」
私を追いつめた。
傷つけた。

あの時も、今も。


「いじめた?誰が?」
桜井さんは大袈裟に目を丸くしてみせる。
「いじめてなんかないし、あれは仕返しをしただけ。今もそう、あんたのことずっと恨んでたから、私の正直な気持ちをぶつけてるだけ」


「おかしいよ……、理解出来ない」
精一杯の声を出した。
のどの奥がギュンと痛い。

「理解なんかしてほしくない。私のことは、私の気持ちは、私だけにしかわからない」
桜井さんはそう言って、眉間にシワを寄せた。
まるで汚いものを見る目で、私を見下ろしている。


「……もう、関わらないでよ」
小さな声で、必死に訴える。