なんで?
お化け屋敷なんて怖すぎるよ……!
ひとり頭を抱えてしまう。
「あはははははは!」
幸人くんが大笑いしている。
昼休みの外階段。
「ひどいよぉ、お化け屋敷なんて!無理無理無理無理!」
「まぁ、多数決で決まったし仕方ないよな」
幸人くんはまた笑って、
「大丈夫だよ、怖くないって!」
と一応励ましてくれた。
「怖いもん、だってお化けだよ?幽霊だよ?」
「でもそのお化けって全部オレらの手作りじゃん。作る側なんだから、平気だよ」
「11月だよね?文化祭って」
私はお弁当のおかずを食べながら幸人くんに尋ねる。
「そうみたい。準備で10月は忙しいって」
「準備……。お化けの準備かぁ」
「楽しもうぜ」
肩を落とす私に幸人くんはニコッと笑って言う。