考えなくちゃ。
幸人くんにとって嫌だったこと。
私がしたこと、言ったこと。



「はぁ~い、エビバデ!元気だったかねー」
気づいたら朝のホームルームの時間になっていた。
橘先生が元気よく教室に入ってくる。
「先生、テンション高くね?」
「あ、もしかしてついに彼氏が出来たの?」
クラスメート達が口々に橘先生をからかう。

「あのねぇ、そんなに彼氏がほいほい簡単に出来るわけないでしょ!」
橘先生は仁王立ちになり、
「いいの!彼氏いなくても!先生は今のままで幸せだから!」
と言って、
「ほらほら!体育館に集合してくださーい。始業式はじまっちゃうからねー」
と、両手を叩いて私達を急かした。