幸人くんの肩に頭を預けて、もたれかかっていたから。

「ご、ごめん!!」
慌てて体を起こす。
「別にいいよ。あ、もうすぐ駅着くから」
「あ、はい!!」
私は恥ずかしくて頭から火が噴きそうだった。

しかも、さっき見た夢。
あれじゃまるで、私が幸人くんのことを好き……、みたいじゃん。
余計な感情を抱いちゃダメって、さっき思ったばっかりなのに。


駅に着き、電車からおりる。
幸人くんはグーッと伸びをして、
「遊んだなぁ~!」
と言った。
「うん!楽しかった!!」

「家まで送る」
改札を出て手を振りかけたら、幸人くんが一緒の方向へ歩いてくれる。
「いいよ、悪いよ」
「いいの。葵に話もあるし」
幸人くんはそう言って私の家のほうへどんどん歩いて行く。