……いいなぁ。


私は自分の体を見下ろす。
みじめな気持ちになりそうだから、見るのは一瞬でやめた。

「何してんの?」
幸人くんが隣で不思議そうな顔をしている。
「ううん」
慌てて頭を横に振る。

「葵、屋内のプールにも行く?暑くなってきたよなー」
「うん、行きたい」


屋内のプールに行くと太陽の光が直接届かないせいか、ずいぶん涼しい空間に思えた。
プールサイドには風船がいっぱい飾られていて、楽しい気持ちになる。


幸人くんがプールの中に入る。
「多分葵の足、届くと思うけど」
と言いながら両手を伸ばしてくれたので、私は幸人くんに支えられながら恐るおそる水の中に入っていく。
「浮き輪借りる?」