「幸人くん?」
体も心なしか熱い気がしてきた。
「何?」
「体調悪い?」
「え?」

抱っこされているので、幸人くんのおでこにすぐ手が届く。
「わっ!」
幸人くんが驚き、バランスを崩す。
「あっぶねーー!!」
私をかかえ直し、バランスを整える幸人くん。


「ごめん、熱があるのかと思って……」
素直に謝った。
「あのなぁ、オレだって恥ずかしいの!緊張すんの!」
幸人くんは()ねたように言う。
顔がどんどん赤くなっていく幸人くん。

「顔、赤いよ。幸人くん」
「それはお互いさまだろ」
ふたりでクスクス笑う。


噴水の前まできて、私はおろされた。
「足、届く?」
なんとか立っていられそうだったので、うなずく。