「幸人くん!恥ずかしいし、私重いし!!」
「いや、全然重くないけど。葵、ほんとジタバタすんのやめて」
そう言われても、恥ずかしい。

「グラグラするからオレの首に腕まわして」
私が暴れると幸人くんがバランスを取れなくなり、確かに歩きにくそうだ。
早く噴水のところに行くには大人しくしたほうが良さそうだと思い、腕を幸人くんの首にまわす。

幸人くんはどんどん水の中を歩いて行く。
太陽が照っていて、とても暑い。
でも暑いのは太陽のせいだけじゃないかも。

素肌が触れて、緊張する。
私の心臓がうるさい。


幸人くんにドキドキしていること、知られたくない。


ふと、幸人くんの耳が目にとまる。
なんだか真っ赤に見える。