「……やっぱり元気ないじゃん」
ぼんやりしている私に、幸人くんが言った。
放課後。
コンビニでアイスを買って、駅までの道を歩いている。

「元気だよ」
「嘘、何か悩んでる顔してるよ」


「だって……」
私は両手で持ったアイスを見つめながら小声で言う。
「……学校にまたこられなくなったら、どうしよう?」

「え?」

私は幸人くんに夏休みへの思いを話した。
桜井さんのことは言わなかったけれど。


「……わかった。じゃあ、オレから葵に提案があるんだけど聞いてくれる?」
「何?」

「夏休みに入ったら週1回はオレと会おう?オレと外に出ようよ」
幸人くんは笑顔になって、
「葵の夏休み、オレにちょうだい」
と言った。