眼鏡姿が珍しくて、まじまじと見てしまう。
「……何?」
幸人くんが笑う。
「眼鏡かけているんだなぁって思って」
茶色い縁の眼鏡は、幸人くんの髪の毛の色によく似合う。
顔が小さい幸人くんがかけると、レンズが大きく見える。
「葵は?目は良いほう?」
そう言って幸人くんは私の瞳を覗きこむ。
至近距離に幸人くんの顔があって、私はなんだかドキドキしてしまった。
「幸人くん?」

「コンタクトレンズしてるのか、見てみただけ。ごめん、ごめん」

……びっくりした。
まだ心臓がうるさいよ。


あれ?
でもなんで?



「勉強!勉強しよう」
幸人くんはニコッと笑って、またノートに英単語を書きはじめた。
「うん」
私は眼鏡姿の幸人くんを見つめながら、返事した。