幸人くんはニッコリ笑って、
「決まり!」
と言って、
「まぁ、その前にテストがあるんだけどな」
と肩を落とした。


電車を降り、幸人くんと別れて家に向かう。
公園の入り口辺りで派手そうな女の子達が3人、缶ジュースを片手に話している。

通りにくいなぁ……。

私は存在感を消すように、そろそろと歩く。



ふと、女の子3人の内のひとりの顔が見えた。
私の全身に鳥肌が立つ。




桜井さんだ!!!





久しぶりに見る桜井さんはメイクをしていたけれど、あの頃の面影はそのままだった。


私の心臓がドクンドクンと跳ねる。
寒気がしてきて、呼吸が荒くなる。

桜井さんに見つかりたくない。
またあんな思いはしたくない!