俺の姫って、どういう意味…?

ねぇ、先輩…そういうこと言われると、すぐ勘違いするんですって……

先輩の腕の中でドクドクする心臓の音は、きっと先輩に伝わっている。
私は左手で熱くなる頬を抑えながら、それ以上先輩に何も言えなくなってしまった。

部屋の外に出ると窓から差し込む光が少し眩しく感じる。
雷は治まって、雨も止み、太陽が出ていたのだ。

「まだ動けるやついたか…」

先輩の視線の先を見ると、フラフラしながらこちらにやってくる男の人。
手には木刀を持っている。

「…!」

周りを見てみると、向かってくる人と同じように武器を持った人が数名床でのびていた。

「まさか、先輩が…みんな…?」

たったひとりで…?
…だとすると、どれだけ強いの先輩……

先輩はお姫様抱っこをしていた私を床に立たせると、武器を持って向かってくる人から庇うようにして、先輩は私の手を引き背中に隠した。

もしかして…あの時も、そうだった……?

" 黒崎くんの…カノジョ…? "

莉乃さんにそう聞かれた時、先輩は私の存在を隠すようにして前に立ったんだ。

あの時は彼女だなんて思われたくなくて、見られないように隠したんだと思ったけど……もしかして、莉乃さんから守ってくれてたの……?