「ずっとそばにいます…絶対ひとりにしません…! というか、もう二度とさせませんから…っ!

先輩の、ばかぁぁ…っ…」

そう言ってまた泣いている花咲。

本当に、わかってるのか…?

俺のそばにいると、どんな目にあうかわからない。
あの女に目をつけられれば、もしかしたらこいつだけじゃなく、花咲の家族だって何かされるかもしれない。

それでもこいつは、俺のそばにいてくれるのか……?

俺は眉間に力が入り、思わず俺まで目頭が熱くなってくる。

「私は…先輩の笑顔が見たいんです……っ
私が、先輩のこと…絶対幸せにしますから…っ!」

あぁ、ここにもヒーローがいたな……

小さくて強いヒーロー。ーー

俺を最初からずっとこわがらず、拒絶もしない。
誰かを責めるわけでもなく、自分のことよりも相手のことを考える、まっすぐで優しいヒーロー。

「…っと、かっこよすぎ…」

手で自分の顔を抑えるようにして、俺は少しだけ泣いた。
彼女がくれるものが大きくて、俺はもう出会った時からずっと…幸せなんだ……

あんなにこいつのことがわからなくてイライラしてたのに、今はこんなにもこいつにそばにいてほしくてたまらないなんてな。ーー