「あれ?パジャマってこの色だっけ?」
「薫が好きな緑だよ。僕の色でしょ?僕がプレゼントしたの忘れたの?」
「ううん。そうだったね……」
そう。
ミキの部屋によく泊まるようになった頃。彼が準備してくれたんだ。
まだ頭がボーッとしているのかもしれない。
「ねーねー!薫っ!」
「何ー?」
「誕生日なのにお願いがあるんだけど………朝ごはん食べたい」
「確かにお腹空いたよね。いいよ」
「やったっ!」
ミキはそういうと、両手を挙げて喜び、ベットから飛び降りた。そこまで喜ぶとは思わず、薫は子どもみたいな彼を見てまた笑ってしまうのだった。
薫は着替えを終えた後に、ミキのリクエストの物を作った。
薫の料理をしている姿を見て、ミキは微笑んでいる。
「今日は薫の好きなところに行こう。天文台に行って星を見て、それからチーズがおいしいグラタンのお店に行こう。あ、夕食の前にランチだよねー。でも、今食べたばかりだから、美味しいケーキとかパフェを食べようと思ってたよ」
「天文台かー。最近いってなかったから嬉しいな」
「本当は本当の星をまた見たいよね」
「うん………森に行ってね!今度、地元に戻ってもいいね」
「薫も戻りたい!?」
「うん。あんまり帰ってないから行きたいな」
そういうと、ミキはとても嬉しそうに薫に駆け寄った。そして、甘えるように後ろから薫を抱きしめた。
「もう、ミキ。今、料理してるから危ないよ。火傷する」
「でも、嬉しいから」
ミキはどうして、こんなにも地元に帰ること喜んでいるのか。彼も久しぶりに返って昔懐かしい場所を巡りたかったのかもしれない。