その後は近くのカフェで、美味しいイチゴのパフェとチョコのパフェを2人で分け合って食べた。ミキは「薫のイチゴパフェも欲しいな」と言い、無邪気にアーンと薫のスプーンからイチゴを食べたりしていた。
こんな穏やかな誕生日もいいなと思った。
その後は海岸沿いを2人で歩いた。海から運ばれた風はとても冷たくて、手を繋いで寒い寒いと言いながら海を見た。
「ここの海も綺麗だけど、やっぱり僕たちの海が一番綺麗だね」
「僕たち?………あ、地元の海ね。私もそう思うよ」
「そうだよね!ここよりもキラキラ輝いてると思うんだ」
ミキがジッと海を見つめている。
彼は地元に帰りたいのだろうか。最近帰ってないので、山や海へのデートもいいなと思ってしまう。
「今度、2人で帰ろうか」
「え?」
「地元デートも楽しいと思うんだ」
「うん………そうだね」
ミキは喜んでくれると思った。
けれど、ミキは何故かとても切ない表情で苦しそうに微笑んだ。泣いてしまいそうな彼を見て、薫はまた不安になってしまった。
この気持ちは何だろうか………。
そう考えた時に頭に浮かんだ言葉。それは、「別れ」だった。