「と言うわけで、今日からお前が俺の彼女だ」

ブランコを降りるとゆっくり七島が歩いてくる。

目の前まで来て、七島は私の頬に手を伸ばしてきた。

頬に手を当てられ、これから何事がはじまるのかと七島をしっかりと見あげる。

すると、七島の綺麗な顔が私の平凡な顔に近づいてきた。

「えうっえっ!なにすんのよ、あんた!」

低い声のトーンで七島は言った。

「いちいち説明がいるのか?あほが……黙ってろ」

気持ち斜めになっている七島の顔。

ーーーいや、これはもしや!!!

何かの重大な行為が起こる前触れじゃあないだろうか??

私は急いで近づいてくる七島の顔を両手で挟むような、まるで蚊でも叩くみたいにしてバシッと叩いた。

かなり、いい音がした。
私が七島を両手で叩いた音だ。


「……おいっ、きさま!一体、お前っっなんの真似だ」

大変な怒り口調で言いながらお殿様の七島は、私から離れた。離れると同時に七島は私の胸ぐらを掴んでいた。