★★★★
夏……
蟬がせわしなくないていて暑さを倍増させていた。
くるってる。
今年の暑さは尋常じゃない。
放課後、帰宅部の私は友達の沙也加と校門へ向かってだらだら歩いていた。
「キャーーーーッ!七島くんよ!」
ボーとしている頭に響く黄色い歓声。
これには蝉たちも驚いて、一瞬鳴くのをやめた程だった。
私と沙也加は渋い顔をして顔を見合わせた。
「……やばっ、忘れてた」
「だね」
校門は既に角砂糖に集まるアリみたいに黒山の人だかりになっている。
首を伸ばすと、その真ん中にひときわ背の高い七島 壮士とその友人が数人いるのが見えた。
「今日、第一金曜日だったね」
私達は、立ち止まってため息をついた。
暑さのせいで曜日の感覚もなくなっていたのだ。
「そろそろやばいよね。沙也加なんかは、ほら美人だからさー。やっぱ……裏門から帰ろうか」
眉間にシワを寄せて校門を睨みつけている沙也加の腕をくいっと後ろへと引っ張ってみた。
校門では
「素敵ーーーっ!」
「かっこいいーー」
耳鳴りがするほどの黄色い声がアチコチから飛んできていた。わざわざ走って群がりにいく子たちもいる。
ーーー七島か……。
夏……
蟬がせわしなくないていて暑さを倍増させていた。
くるってる。
今年の暑さは尋常じゃない。
放課後、帰宅部の私は友達の沙也加と校門へ向かってだらだら歩いていた。
「キャーーーーッ!七島くんよ!」
ボーとしている頭に響く黄色い歓声。
これには蝉たちも驚いて、一瞬鳴くのをやめた程だった。
私と沙也加は渋い顔をして顔を見合わせた。
「……やばっ、忘れてた」
「だね」
校門は既に角砂糖に集まるアリみたいに黒山の人だかりになっている。
首を伸ばすと、その真ん中にひときわ背の高い七島 壮士とその友人が数人いるのが見えた。
「今日、第一金曜日だったね」
私達は、立ち止まってため息をついた。
暑さのせいで曜日の感覚もなくなっていたのだ。
「そろそろやばいよね。沙也加なんかは、ほら美人だからさー。やっぱ……裏門から帰ろうか」
眉間にシワを寄せて校門を睨みつけている沙也加の腕をくいっと後ろへと引っ張ってみた。
校門では
「素敵ーーーっ!」
「かっこいいーー」
耳鳴りがするほどの黄色い声がアチコチから飛んできていた。わざわざ走って群がりにいく子たちもいる。
ーーー七島か……。