・・・そんな初集合から三日が経過し、俺たちの目の前に広がるのは果てしなく青い海。


圧倒的な存在感。澄んだ空気から、限りなく強い生命を感じた。



「超きれー!テンション上がるー!叫びてぇー!」

「いや叫んでるじゃん」

「うるさいから静かにして」



せっかくの夏休み、五人でどこかに出掛けようって話になったのがあの日。

凜の体調もあって遠くには行けない事になっていたから、距離にして二駅先の海。


そんなところに、昂生のお父さんが俺たちを乗せて連れてきてくれた。

着いてすぐにテンション爆上がりの昂生は、一人で騒いであしらわれて・・・凜に逃げた。


「凜ちゃんしんどい・・・心折れる・・・助けて・・・」

「よしよし、可哀想に・・・」

「マジでやめて私の凜に近付かないでキモい」

「いや、容赦なさすぎて(笑)」


あからさまに萎えた昂生をよしよし、って励ます凜。

・・・を見て、キレながら昂生を追い払った妃菜。


あぁ・・・平和だ。



そんな光景を前にして、不意に笑顔が零れた。