・・・俺は、変わったと思う。
凜に出会って、変わったんだと思う。
他人に興味なんて無くて、友達なんか居なくても良くて
当たり前のように回りゆく世界で、当たり前のように存在して、平凡な人生を歩めれば、それで良いと思っていた。
今は違う。
凜が俺を呼ぶ声とか、凜が描く絵とか、純粋無垢な笑顔とか、細かい仕草。
その全部が愛おしく思えた。
この子には、俺のようになって欲しくない。
闇に堕ちて、戻れないところまで来て、将来に希望の無い人にはなって欲しくない。
そしてそれ以前に、生きて欲しい。
こんなに強く誰かを想っているのは初めてで、動揺している部分ももちろんある。
・・・だけど、認めざるを得なかった。