ひたすら絵を描いてたら、しっかり買い物を済ませて来た妃菜が帰ってきて、夕飯を一緒に食べた。

弁当を見ても思っていたけど、凜の心臓を労わってなのか、栄養バランスが完璧だと思う。

妃菜はただの毒舌過保護姉貴に見えて、めっちゃ凄い。

凜のことを・・・本当に大事に、大切に・・・強く想ってるんだろうな。



「優人泊まる?泊まるよね?あ、なんなら昂生達も呼ぶ?」

「帰る。・・・凜が疲れてるでしょ。早く寝かせてあげて」

「相変わらずだな、やっぱ。また来てよ」


夕飯が済んですぐ、ソファに座る凜は寝かけている。

退院してすぐなのに、こんなに遅くまで起きてるなんて・・・きっと良くない。

妃菜を押し切って帰る支度をする俺を見て、寂しそうな表情をするから・・・帰るに帰れない。


「・・・きぃくん、かえっちゃう?」

「うん。・・・また来るから。蒼たち連れて」

「そのときは・・・騒がしいね。たのしみにしてる」


伸ばされた手を、躊躇いながらも優しく握った。

・・・子供相手にしてるみたい。可愛い。


蒼と昂生を連れて来たら、凜がまた楽しそうに笑うと思ったから、俺はまた来ようと思う。