名前を呼ばれて、目が合うと、ふわって微笑みながら凜は言う。


「へへ・・・きぃくん、好き」


・・・って。

メールや電話なんかでも、たまに言われる。

凜は恐ろしく素直な子。

それは純粋に思ったことを伝えてくれているだけで、だから何だというわけでもなく、意味や目的が明確でない事も知っている。


「・・・うん」

「きぃくんの絵も好きだし、字も好きだし、きぃくんも大好き」

「うん、ありがとう」


俺を優しいって言ったり、一番何でも話せるって言ったり、好きって言ってくれる凜は、だいぶ変わった人なんだと思っている。


ただ、俺はそれが・・・

素直に嬉しかったりする。


凜のまっすぐな言葉は、ちゃんと俺に届いてる。