もういつ死ぬかも分からない中で、こうして無邪気な笑顔でペンを走らせる凜。
・・・父親に会いたいというその気持ちは、本物なんだろうな。
俺は、凜に生きることを諦めないでいて欲しい。
無理かもしれない。
出来ることは無いかもしれないけれど・・・
もっと夢を見て、何かを感じて、将来に希望を持って、生きて欲しい。
・・・俺の命をあげることが出来るのならば、全部だってあげるのに。
俺なんかの未来より、凜の未来の方が大切だよ。
「きぃくん」
「ん?」
凜に呼ばれるのは、好き。
何度か下の名前で呼ぼうと頑張ってたみたいだけど、結局 "紀井くん" から抜け出せないらしい。
必死な凜も、なかなか面白かったけど。