・・・凜の、壮絶な過去。
親に捨てられただけでこんな人間に出来上がった俺なんかより、・・・比べ物にならないほど、凜は辛い思いをしていた。
そんな中で、俺に頼ってくれた彼女に・・・この先応えられるのか、正直不安もある。
俺なんかと一緒に過ごしても、良い人生を・・・送れないんじゃないかって、一瞬、思った。
『わたしはきぃくんのこと大好きだよ』
・・・だけど、そう言って笑顔を向けてくれた凜に、俺は精一杯応えてあげなければいけない。
この子の傍に居たい。
俺に出来ることがあるのなら・・・してあげたい。
凜の小さなこの手を、離したくはないと思った。